Nyege Nyege Festival 2022記録⑨ Wakaliwoodふたたび~ランドクルーザーの威力を知る~ハネムーンの格差

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Wakaliwoodふたたび

最終日のラストは∈Y∋さんが演った後DJ MARCELLEがプレイして、それでグランドフィナーレと思いきやJay Mitta→Phelimuncasiで締めくくりとなったらしい。私達はもう体力限界で、寝て起きたら音が止まっていた。遠く離れたステージからかすかに音楽が聴こえてくるのが当たり前のテントサイトだったけど、びっくりするくらい穏やか。いや、これが本来のItanda Fallsなのか。

帰りは、もう体力もないしアーティストバスじゃなくて自分たちだけで帰りたいね。と車を手配してもらい、車が来るまで荷物のパッキング。この時すでに、ドアマン付きの有料トイレは引き上げていた。契約期間が4日目までだったんだろう。

このテントともおさらばである

小屋でスマホを充電し(発電機にたこ足充電で20人くらい充電していた)、青いテント達を眺めながらぼんやりしていたら、突然目の前で大捕り物が始まった。テントサイトでも盗難があったと聞いていたのでかなり緊張したのだけど、隣にはよく見知った顔が。Wakaliwoodの俳優、ダウダだった。彼が言うには「Wakaliwoodの撮影をしているので、ついては君らも参加しろ」と。言われるままに、銃で撃たれて死ぬ演技をした。笑

ケイトくんがやった後、私も。

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出演の記録 色んな国の人が参加したみたい。隣で布を持ってるのがダウダ

撮影後「TikTok用のも撮っていい?」と言われ、最初全然わからない言葉で話しかけられるけど最終「Nyege Nyege!」で盛り上がるという謎の動画を撮られた。後から見たら37万人もフォロワーいてたまげた。有名人やん!

vt.tiktok.com

さて、12時に来るはずの車は全く来ず、まあ急いでるわけでもないので配給ごはんをいただく。

スーツケースの食卓

この日も炊き込みご飯・お芋・マトケの3点セット。また食べたい……

皆で記念写真 最前の男の人はこの数分前に知り合った人で、東京オリンピックで失踪したウガンダ人選手と友達だよ!と言っていた

Don Zillaを囲んで Don Zilla、佇まいがかっこよかった

 

ランドクルーザーの威力を知る

約束の時間を3時間弱過ぎたころ、ランドクルーザーが到着。とうとうNyege Nyege会場を離れることに!

同じタイミングでアーティストバスの方も「時間的に君ら貸切で使えるよ」と言ってくれ、それだったら車手配する必要なかったんじゃ……?という空気にも一瞬なったんだけど、結果としてはランドクルーザーが大正解だった。悪路も悪路!ぐわんぐわん揺れながらガシガシ進んでいくランドクルーザー、非常に頼もしかった。懐かしの名作ゲーム・クラッシュ・バンディクー3の「ばんりのちょうとっきゅう」な気持ちに(ぐぐってください)。途中で故障して止まってたりもしたけど。

Nyege Nyege会場を出るとすぐ村があって、こんな大きい音出してるのにすぐ近くで生活が営まれていたのか……!と驚いた。停車中には村の子供たちが物珍しそうに近づいてきたりして、かわいらしかったです。

首都のカンパラ市内に近づいてくるとバイクがどんどん増えてきた。渋滞で時間がだいぶ押してたこともあってドライバーもめちゃくちゃ飛ばしてたし、バイクも大体すごい運転をしてるんだけど、皆クラクションは不思議と鳴らしてなかったのが印象的。どうして事故らずいけるんだ……。

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ネムーンの格差

5時間ほど走って、ようやく宿に到着。特に何も考えずAirbnbを予約したのですが意外や意外、日本でもなかなか泊まれないんじゃ?というくらいの大豪邸だった。広々としたリビング・ダイニング・キッチン・テラスと、シャワートイレ付きの個室が3部屋。離れの部屋も。さらにスタッフさんが3名常駐していて、料理もリクエストに応じて作ってくれる至れり尽くせりの環境だった。Nyege Nyege会場との落差……!

アフリカンなかわいいダイニング

疲れも吹き飛びノリノリになる一同

我々夫婦にとってはこれが一応ハネムーンだったんだけど、Nyege Nyege中とNyege Nyege後で格差がありすぎて笑ってしまった。

これが

これに

人懐っこすぎる猫ちゃんもいてメロメロに(犬もいた)

天国かな?と思うような宿でワインと遅い夕ごはんをいただき、この日は就寝。Nyege Nyegeはこれで終わり……とはいかず、次の日はNyege Nyege Tapesの本拠地、Nyege Nyege Villaへ遊びに行くことになりました。

 

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Nyege Nyege Festival 2022記録⑧ シンゲリTシャツ贈呈の儀~Bamba Panaが始まらない~シンゲリの湿度

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シンゲリTシャツ贈呈の儀

テントサイトに戻ったら、先ほどのタンザニアクルーのマネージャー的な人が「皆を紹介するよ」と連れて来てくれた。

シンゲリアーティストとTYO GQOMの邂逅である

Bamba PanaとMakaveli

 

Sisso ヘアアクセもだしネーム入りの腕輪つけてたりでかわいかった

皆若そうな印象。MakaveliとJay Mittaだけ貫禄あってパイセン感ある感じ。上の写真で唐突にケイトくんが上裸になっていますが、何故かというと、着ていたシンゲリTシャツを贈呈していたのであった。

一瞬取り合いになりかけたけど、パイセンパワーでMakaveliの手に。巻きスカートとの相性が良すぎて即着こなしているMakaveliパイセン……!そして、この後のライブでもぜひ着てね。と約束していたケイトくん。

最終日のタイムテーブル

 

Bamba Panaが始まらない

私はこの日はもう何も見なくていいや、というテンションだった気がする。Bamba Pana & Makaveliを見たいという皆と一緒にITANDA STAGEへ向かったがぜーんぜん何もやっていなくて、ステージ横へ入らせてもらうことに。

ITANDA STAGE横 モロさん撮影

この時すでに、本来の出演時間である16時はとっくに過ぎていたはず。Bamba PanaとMakaveliを見かけたので「いつ演るの?」と聞いてみたら、「次!」と言って待ち続けていた。出演時間わからんまま待ち続けるのかなりしんどいのでは……!いったん戻ることに。

 

気になっていた日本料理屋の出店に立ち寄ってみると、日本人の店主が出迎えてくれた。マサカズさんで通称マックさんと言うらしい。

メニューにない鶏肉の照り焼き炒めを作ってくださり、ほくほく談笑していたら突然のスコール。18人の雨乞い師もさすがに力及ばずだったか。歩道脇に川ができるほどで、立ち往生してる間にテントでは雨漏りしていたらしい(マットレスがじっとり濡れていた)。

そんなこともありつつ、K8ちゃんがちょっと元気になったので再度ITANDA STAGEへ。浮かれて皆で星型のピースを形成する儀式などをする。

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この時は21時くらい。パーカッシヴなライブをやっていた。お客さんも壇上に上がってダンスしてハッピーな感じ。無論、Bamba Pana & Makaveliはまだ出演していない。このへんで相当な眠気が来たので私は仮眠しました。

寝る前に食べた串焼き

日付変わったくらいに目覚めて、また会場をうろうろ。HP0になってテントに倒れこんだmitokonさんから「Bamba Pana始まりましたね!」と悲痛のLINEをキャッチし(ステージ方面からMakaveliの叫びが聴こえたらしい)、三度目の正直でITANDA STAGEへ再訪!この時、なんと2時!彼らはなんと10時間押しでの出演となったらしい。そんなのしんどすぎる!でも、Makaveliはめちゃくちゃフロア煽ってました。

シンゲリT!

Bamba Panaが回し、Makaveliが煽り、ダンサーのお姉さんが尻を振り、オーディエンスはタオルを振り回すというめちゃくちゃ良い現場でした。撮れてないけど、Makaveliは私達の方を見て"Japanese! Respect!"みたいなことも言ってくれていた。一方この頃、オンタイム進行のHAKUNA KULALA STAGEではSISSO & MAIKOも出演しており、そっちも見逃せん!と途中でHAKUNA KULALA STAGEへ移動。

 

シンゲリの湿度

手前がSISSO、奥がMAIKO

SISSOは日本で見たことないDJソフトを目隠し状態で操り、MAIKOはアクロバティックにキーボードを弾く。なんか顔と肩に挟んで弾いてたりしてた。単音の反復がこんなにエネルギッシュで楽しいとは!シンゲリってミニマルな要素もあるんだな~と感じた。でも禅的な意味合いのミニマルではなく、ただただ楽しい音を楽しいタイミングで配置しているようなカラッとした質感。アフリカの湿度や、水はけ抜群の赤土なんかもそのムードに影響しているのだろうか。そして、二人の様子を至近距離で動画に収める∈Y∋さん。二人の次が∈Y∋さんで、その次の大トリがDJ MARCELLEという順番だった。4日間いろいろあったNyege Nyegeも、もうすぐグランドフィナーレ――。

∈Y∋さん

∈Y∋さんはハードコアな轟音シンゲリ。SISSO & MAIKOがカラッとした赤土のようなシンゲリなら、∈Y∋さんのはもっと湿度ある感じ。フロアで爆踊りしてたら隣のお姉さんが一緒に踊ってくれて楽しかった。

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∈Y∋さんが終わり、DJ MARCELLEが始まったころには満身創痍。仮眠すらせずずっと起きていたケイトくんは放心状態で、ブリキのおもちゃみたいになっていた。テントで就寝し、あとはカンパラ市内へ帰るのみ!

 

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Nyege Nyege Festival 2022記録⑦ PAYPALに揺れるペットボトル~続・諦めんステージ~誰がキャプテン・アレックスを殺したか?

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PAYPALに揺れるペットボトル

モロさんのプレイが終わったら疲れがどっと来た。治安が悪いと明らかに肌で感じるような空間で(いろいろとショッキングな話も聞いていた)、なおかつモロさんの機材トラブルはさすがに精神に来た。テントサイトへ戻ってそのまま就寝。

DJ PAYPALを見るために朝5時に目覚めたものの、ちょっと弱気で。皆寝てるだろうし、タイムテーブルはどうせぐちゃぐちゃだろうし、もういいかな……と二度寝しかけた時、テントの外から浅沼さんの声がした。なんだろう?とテントから覗いてみたところ、「スマホ失くしちゃった!」と。PCをPAYPALに預けているので、彼と連絡を取って代わりに受け取ってほしいという旨(うろ覚え)の依頼で我々のテントにいらっしゃったのだった。私としては、しっかりしている浅沼さんもスマホ失くすんだ!と失礼ながら和んだのと、来訪のおかげでケイトくんも起きてくれたので、るんるんでHAKUNA KULALA STAGEへと向かった。

覆面のPAYPAL

これまで散々タイムテーブル変わってたのに、PAYPALだけはタイムテーブル通り!ラッキーすぎた。正直、一番見たかったかもしれません。2019年の来日以来に見れたPAYPALはジュークかつテッキーな4つ打ちをずっとキープしててイケてました。

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いやさも聴けた!(この曲↓のこといやさって呼んでますが正しい曲名わかってません)

追記:DJ Rashadなんですね。時間差でShazamが仕事してくれた。

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低音にペットボトル達も喜んでいました。

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続・諦めんステージ

PAYPALが終わると夜明け。幸せで顔テカテカになりつつ、モロさんが終わった後もトラブル続きだったらしいDARK STAR STAGEはどうなっているだろう……と恐る恐る見に行ったところ、遠目に見ても何もやっていないのがはっきりとわかる。これは気まずすぎるのでは?とステージマネージャーに見つかる前に離れようとしたら、向こうがこちらに気づき話しかけてきた。「ここのステージはもうcomplete messだから別のステージにスイッチしたよ!」そう、会場にはDARK STAR STAGE、HAKUNA KULALA STAGE、メインのITANDA STAGE以外に企業ステージも存在した。まだ機材状況が幾分マシだった企業ステージを、新たなDARK STAR STAGEに据えたらしい。

諦めん!

どこまでも諦めないスタッフの粘り!感服でした。

帰りはモロさんのサイドMCを務めたルイスに再会。気のいい謎の兄ちゃんだった。

三菱ふそうのかっこいいバス

GOD BLESS YOU

 

Nyege Nyege Festival Day 4

とうとう最終日。ぼちぼちどうでもよくなってきて、女性陣は全員すっぴん眼鏡になっていた。ケイトくんはSISSOを見るため、TYO GQOM謹製のシンゲリTシャツでばっちり決めていた。

「ラッパーみたいな顔して」って言ったらこのポーズしてくれた

※SUZURIで買えます

suzuri.jp

 

誰がキャプテン・アレックスを殺したか?

昼ごはんを調達しに出店エリアへ。前日にカマしたモロさんはすれ違う人に声をかけられまくっていた。たまに∈Y∋さんに間違えられてもいた。後から聞いた話では、∈Y∋さんもモロさんに何回か間違えられたとか。笑

Wakaliwoodというウガンダの映画製作会社も出店していて、Wakaliwoodの俳優だというダウダに何回か話しかけられた。昔福岡に住んでいたらしい。ポスターもかなり味がありました。

Wakaliwoodは超低予算アクション映画が売り?のようで、結構人気があるらしい。通りすがりの人にも「WHO KILLED CAPTAIN ALEX観た方がいいよ!」といきなり声かけられたりした。(何故?)

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ダウダと記念写真

ここまで実はウガンダっぽい料理を食べておらず、串焼きくらいだったので、ウガンダ料理を求めてうろうろ。(アーティストテントにはウガンダ料理の配給もあったんだけど、すぐに並ばないと無くなってしまう人気ぶりだった)甘くないバナナ「マトケ」を食べてみたい!ということで、これを買ってみました。

右側に乗ってるのがマトケ

ウガンダではおかず1:主食3のバランスが主流らしく、炊き込みご飯(ビリヤニ?)・お芋・マトケにお肉が入ったセット。これが何というか、お出汁が利いているような味わいで美味しかった!お芋はもっちり甘め。日本でも食べたいな……。

 

偶然通りがかったDJ Travellaと記念写真。右端の人がタンザニアクルーのマネージャー?的存在のようで、この後たくさんのシンゲリアーティストを紹介してくれることになる。

DJ Travellaはこの日もかばん斜め掛け
エルメスじゃないですね。どこのだろ

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Nyege Nyege Festival 2022記録⑥ タンザニア・ドリーム~どん兵衛も無力~MOROさんの実力

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今日はJ-WAVESONAR MUSICでNyege Nyegeが取り上げられ、ケイトくんとmitokonさんが出演しました。radikoのタイムフリーで聴けるはず。

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タンザニア・ドリーム

TYO GQOM最後の出演者、モロさんまでもが出演時間変更に。これでTYO GQOMクルー全員に何かしらのトラブルが降りかかったわけだけど、これは何もTYO GQOMだけの話ではなかった。Nyege Nyege全体のタイムテーブルがぐちゃぐちゃになっていたのである。まあ機材がなくなっていたわけだし。でも、これが通常運行みたいです。

もう誰がどこで演っているかわからない中、DJ Travellaが今から出演するという情報を聞きつけHAKUNA KURARA STAGEへ。DJ Travellaは、私は帰国してから「この曲の人かーー!」とようやく認識したんだけど、この曲の人です。シンゲリと言えばこの曲かJay Mittaか、という印象が個人的にある。

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DJ Travellaは序盤じっくりEDMでぶちにぶち上げてからのシンゲリだった。壇上上がるし、お客さんのマラカスのキレはいいし、タオル振り回すし、これがタンザニアダンスホールなのね!と……。エルメス?のかばんをずっと斜め掛けしてたのもタンザニア・ドリームという趣でよかった。

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どん兵衛も無力

一方、K8ちゃんが発熱とともにダウン。救護室に行って検査してもらったところ陰性とのことだったけど、救護室のベッドは貸してもらえずK8ちゃんはテントで休むことに……。

木曜日から始まったNyege Nyegeのこの日は3日目で、つまり土曜日だったのですが、平日の木金に比べると集客はぐんと増えて雰囲気が明らかに変わっていた。テントサイトにはテントだけでなくハイエースもぽつぽつと増え、暗がりの木々にはぼうっと佇む男性の影。ちょっと間違えたらハイエースに連れ込まれても全くおかしくない状況……。加えて会場内にアジア人は10人ほどしかおらず、Chinese?と聞かれまくる完全にマイノリティな立場に我々はいました。日本で「外人」って言われる気持ちってこんな感じなんだろうな。と思いつつ、ここからは単独行動はせずに男女グループで動くことにしよう、と皆で言い合って救護室からテントサイトへ。

 

テントサイトでは浅沼さんが「うちのテントは幾分広くてマシだからこっちで寝て」と何度も申し出てくださり、∈Y∋さんは「マラリア蚊の卵が産みつけられて孵化するまでには1週間かかるはずだから、入国3日目だったらマラリアはあり得ない」とめちゃくちゃ具体的なアドバイスをくださり、心細いなか大人のお二人の存在がありがたかった。皆で回復アイテムを持ち寄り、念のため南京錠をかけてK8ちゃんはテント待機。私たちはモロさんのステージを見届けるため、DARK STAR STAGEへ向かった。

お湯が沸かせないとどれだけどん兵衛を持っていても無力。カップヌードルも無力。次回はmitokonさんの真似をして、にぎらずにできる携帯おにぎりを持っていこうと思います。

 

MOROさんの実力

DARK STAR STAGEに着いたらステージは無事に復旧しているようだった。変更後のタイムテーブルは奇跡的にオンタイムで(もはやオンタイムなのか分からないけど、オンタイムと言いたい)、25:15にプレイ開始。

……しかし、様子がおかしい。フロアの盛り上がりとは裏腹に、モロさんはやけにつまみを触りまくっているし、音がモコモコしている。PAさんはずっとせわしなく動いている。え、大丈夫?

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そのうち、AKIRA劇中の「どうした、揉め事か?」という台詞が延々ループし始めた。Indus BonzeさんのAKIRAサンプリングトラックですが、低音は全然出ていなくてずっとモコモコしている……。これが、なんと30分続いた。期待値高く待っていてくれたオーディエンスたちも1人、また1人とフロアを離れていき、いつしかガラガラに。気が気じゃなくて、何もできることはないけどステージ横を離れられなかった。見知らぬ人も「俺MCなんだけど場つなぎで何かやろうか?」と声をかけてくれたり……。なんとかプレイできるように復旧してからも全く安心できなかった。

復旧作業中。余裕でビール飲んでるように見せてるけど、目が死んでいる
mitokonさん撮影

クルー皆心配だったので、モロさんのプレイ動画は皆たくさん撮っていた。見返したらどの曲からどの曲につないだのかわかるくらい。モロさんは日本のプロデューサーによるGqomをふんだんに取り入れたセットで、現地の人からするともしかしたら知らない曲ばかりだったかも。ガラガラだったフロアは気づけばまたいっぱいに戻っていた!

飛び入りで謎のMCも入ってくれていた。日本ではなかなか見られない光景!ルイスという名の青年だったが、首にはPhatstokiと書かれたアーティストパスを下げていた。笑 "Japanese guy! MORO!"って何度も言ってくれてたし、盛り上げようとしてくれたのかも。

これまで出演したTYO GQOMクルー、K8ちゃん、mitokonさん、ケイトくんはフロアがばっちり出来上がっている中での登板だったけど、モロさんだけはフロアガラガラからのスタート。それをパンパンにまで持って行ったのはさすがの実力でした。ほんと、ホッとした……!

 

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Nyege Nyege Festival 2022記録⑤ 雨乞い師は効果てきめん~音が鳴っている場所には大体∈Y∋さんがいる

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Nyege Nyege Festival Day 3

朝起きたらケイトくんがめちゃくちゃモテていた。

5分歩けば道行く人が3人は声かけてくれるペースで、やはり良いと思ったら本人に伝えるのが一番良いと思うなど。

ところでNyege Nyegeの水回り事情が日ごとに進化しており、2日目には水洗トイレができ、3日目となるこの日は待望のシャワーが登場しました。

水洗トイレ

トイレは1回1000シリング(37.9円。ちなみにビール1杯で約3500シリング)かかるけど、ドアマン的な人がいてめっちゃ綺麗。さらに3日目にはアーティストパスを提示すれば無料で利用できるようになっていた。ぼっとん便所に慣れつつあったけど、やっぱり水洗トイレって清潔。でも次来るときは携帯トイレも用意しようと思っている。テントの中で用足せたら楽な気がするから。

シャワーは木の板で囲われたブースの上に巨大なタンクが乗っているような造り。この旅で初めて髪の毛洗えて、気持ちよさのあまり変な声が出まくった。

TYO GQOMはPhelimuncasi、Menzi、DJ MP3との邂逅を果たしていた。

 

雨乞い師は効果てきめん

もうずっと快晴で、浅沼優子さんによると主催者が雨乞い師を18人雇っているとのことだった。

直射日光に当たると途端に体力が削られる。そのため、我々のテント前の木陰がちょうどいい休憩スポットになっていた。

スマホをスられたモロさんはMacBookを「俺の携帯」と呼んでいた。K8ちゃん、mitokonさん、ケイトくんの出番が終わり、この日はモロさんが出演する日。出番を終えた3人が3人とも出演時間変更になったので、モロさんも何かしらアクシデントあるんじゃない?フフ……と言いつつ、出演時間の19時まではまだ時間があったので会場内をうろついてみることにした。

この日のタイムテーブル

恐ろしいメリーゴーランド

Nyege NyegeブートTをゲットしたモロさん

串焼き

太鼓の奥にNyege Nyegeオフィシャルストアが

オフィシャルストアにはTシャツ、キャップ、ウエストポーチなどなど売っていて皆こぞって購入。あと充電コーナーもあった。4日間のキャンプではモバイルバッテリー2つあっても足りなくて、オフィシャルストア以外にも充電コーナーがいくつかあった。4,000シリング(150円)くらいだったかな。

 

音が鳴っている場所には大体∈Y∋さんがいる

ここで、前日にテントサイトでゲリラライブしていたご一行を発見。バンドだけでなく、周りで見てるオーディエンスも飛び入りで壇上に上がってダンスしたりと、リズムとダンスが根付いているんだなあとつくづく感じた。

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布団みたいな大きさの鍵盤楽器。動画にちらっと∈Y∋さんが映りこんでいる。∈Y∋さんとはテントが隣だったのですがテントサイトではほぼお会いせず、音が鳴っている場所でお見掛けすることがほとんどでした。この時もそうだし、あとはDJ Travellaを絶対に見たいと、タイムテーブルがぐちゃぐちゃになっているなか1時間おきにステージをチェックしに行っていたとか。。さすがのエネルギー!

 

そしてモロさんが出演するDARK STAR STAGEはというと、またもや機材が消失していた。さらに、停電。闇夜に沈むステージ。しかし、いろいろと起こりすぎていてもはや何も動じなくなってしまっている我々なのであった。

記念撮影

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Nyege Nyege Festival 2022記録④ ヌーブラ落とすな、スマホも落とすな~メインステージは4時間押し~KΣITO沸騰、沸く

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ヌーブラ落とすな、スマホも落とすな

ケイトくんの出演時間が変更になったので、仕切り直しでとりあえず遊ぶことになった。

この日のタイムテーブル(黄色部分)。ケイトくんは25時に変更になった

皆はHAKUNA KULALA STAGEへ行き、私は少しだけ仮眠をとることにした。

日没とともに涼しくなる

日中はキャミソール一枚でもいけるくらいの暑さなのに、日が落ちると少し肌寒くなる。マウンテンパーカーとかウルトラライトダウンを羽織ってちょうどいいくらい。踊っていれば全然寒くなくなるのですが。

Chrismanが始まるのに合わせてHAKUNA KULALA STAGEへ行って皆と合流。Chrismanの前のTurkanaもすごい良かったらしい。

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で、会うなりK8ちゃんが発した言葉にびびる。「私さっきスられかけました!」かばんのジッパーに手をかけられているのを近くにいた人が見つけてくれたらしい。怖!!さて、HAKUNA KULALA STAGEでは現在BOILER ROOM配信中。最前で映りに行こや!とばかりに皆で前に繰り出した。

hakunakulala.bandcamp.com

Chrismanの作る曲はダークで基本BPM速くて私としてはかなりツボ。この日のDJはかなりアゲ目で、みよ〜んてBPM下げてから速い曲ぶつけて何段階もBPMを上げてきてぶち上がった!踊りすぎてヌーブラが取れるくらい。。汗でヌーブラがパカパカになってしまって、もうあかん、これBOILER ROOMで映ったらまあまあ恥ずかしいな?とか考えつつヌーブラをそっとポケットにしまおうとしたら

「モエミキさん!」とmitokonさんが後ろから肩を抱いてきた。なにごと?と思ったら、私もスリにロックオンされていたらしい。こ、怖~。。腰にマウンテンパーカーを巻いていたからかスられずに済んだけど、気が削がれて皆のところへ戻るとモロさんが真顔になっていた。「iPhoneなくなったんだよね……」ちーん。。。もはや踊るテンションにならず、テントサイトへ戻ることに。

iPhoneを探す」で場所を見てみたところ、Nyege Nyege会場にあることはわかる。わかるけど、ざっくりすぎて何の参考にもならない。仮にスられたのでなく落としたのだとしても、届けてくれる奇特な人はいないだろう。。という結論になり、落ち着いてから保険会社に連絡することにした。

これがモロさんiPhoneからの最後のツイートとなったのだった。。密集したところでは貴重品はポケットに入れない、ジップ付きのかばんに入れて警戒!と肝に銘じました。

 

メインステージは4時間押し

気を取り直して、もう一度フロアへ繰り出してみる。ITANDA STAGEという名のメインステージはDARK STAR STAGEやHAKUNA KULALA STAGEよりも先、グッズ出店やフード出店を通り抜けた一番奥にあった。AmapianoキングのVigro Deepが出演するということで、絶対にこの目に焼き付けたいと意気込むTYO GQOM一行。私もさすがに名前は知ってるのでついて行った。

余談ですが、私はGqom, Amapianoの現場に遊びには行くけどアーティストと曲名を全く把握しておらず、Gqomファンの人から見たらかなり勿体ないことをしているんだと思う。サカセサカセサカセ!とかアマニキニキ!とかよく聴くのは歌えるけど曲名はわからない。HAKUNA KULALAリリースの速いトラックとかは自分でも買うしわかる、というレベル。TYO GQOMキュレーションのSpotifyプレイリストを今聴くと、うわ!この曲あの人やったんや!というのがめちゃくちゃある。

 

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ITANDA STAGEはこんな感じで、かなりでかかった。この時はウガンダの有名グループ?が出てたのかな。Nyege Nyege Tapesって小規模でアンダーグラウンドなレーベルというイメージが強く、DARK STAR STAGEはまさにそのムードを反映しているようなステージだけど、こんなにも大きなメインステージまで用意して一大フェスを興行しているのには正直驚いた。一時は開催中止に追い込まれそうだったらしいけど、企業スポンサーも抱え込んで無事開催にこぎつけているし。主催者の駆け引きが偲ばれる。

mixmag.net

さて、Vigro Deepが始まる予定の23時になっても、本人は全く姿を現さなかった。もしかしたら……このまま行くとケイトくんの出番とVigro Deepが被っちゃうんじゃない?というそわそわムードがTYO GQOMメンバーの間に訪れる。数十分ほど粘ってみたけど、4時間押しらしい?ことが判明したためDARK STAR STAGEへ戻ることにした。

mitokonさんがEDMでぶち上がっていた。

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DARK STAR STAGEでケイトくんの前に演っていたZoe Mc Phersonさんがハードコアで物凄くかっこよかったです。予備知識まったく無しにかっこいい人に出会えるのはフェスの醍醐味!

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KΣITO沸騰、沸く

実はこの時HAKUNA KULALA STAGEが止まっていたらしい(後から聞いた)。そんなこともあってDARK STAR STAGEは人でぎゅうぎゅうになっており、ステージマネージャーの約束通りとても良い流れができていた。

「お客さんがパーティを作る」ってよく言うけど、Nyege Nyegeではそれをいつも(この時に限らず)痛感した。音に呼応する形でフロアから歓声が聴こえ、ダンスが生まれて、その盛り上がりに応える形で演者のプレイがどんどんヒートアップしていくっていう様を本当によく目の当たりにした。プレイ直後やその次の日でも「プレイよかったよ!」と声をかける場面にも何回も遭遇したし。これがパーティなんだなあ~と……。

そんな良い流れを受けて始まったケイトくんのライブ。こんな感じでした。

開始3分で、最初の最初からおカマしになられて……。フィンガードラムがすごいっていうことは勿論認識していたけど、こんなにも仕掛けにいく人だったか、とたまげた。これまでのライブは1曲1曲を淡々とこなすイメージだったし、普段家で過ごしていると「本麒麟を冷蔵庫で冷やす姿」とか「スーパーで買ってきた刺身を皿に盛る姿」とかしかほとんど見ていないので、ちょっと油断していたかもしれない。やばい人と結婚していたらしい。そして多分、それはフロアの盛り上がりが成しえたことでもあったのかも。フロア沸騰、沸く!

後半はオリジナルのGqomをSP-404MKII でいじっていた。Nyege Nyegeコールしてる人がいてちょっとよかった。

keitosuzuki.bandcamp.com

 

ライブ後はもう喝采。ケイトくんは「ア~」しか言葉が出ないカオナシ状態になっていた。

眼鏡も取らずに寝落ち

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Nyege Nyege Festival 2022記録③ 諦めんステージ~アフリカ民族音楽~KΣITO氏、微笑む

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昼間のテントが暑すぎる

Nyege Nyege1日目のTYO GQOMテイクオーバーが大団円に終わり、テントサイトに戻ったのが10時前くらい。18時のケイトくんの出番までまだ時間があるし、ゆっくり寝るか……と床についたものの、全然眠れない。

標高が高いため昼夜の寒暖差が大きくて日中は日差しがめちゃめちゃ強く、テントの中にいると蒸されるようだった。両サイド開けてても風がないと暑いし。結局、3時間くらいしか眠れなかった。風の通る木陰なら避暑地みたいな過ごしやすさなんだけど。湿度は低いし。次回はヒヤロンとか持って行った方がいいのかな……。

だいぶしんどそうなケイト氏

ちなみに水道は使えそうな所が見当たらず、汗拭きシート・ドライシャンプー・ビオデルマのクレンジングウォーターでなんとかしのいでいました。歯磨き用の水は、下痢防止のためミネラルウォーターを調達。あと、無印のフィルム石けんがかなり役に立った。

ウガンダへ行くに当たってはやはり色々な病気のリスクがあるということで、黄熱ワクチンは入国に必須だし、マラリア予防のために虫よけスプレーとマラロンという予防薬の内服も必要。川に手足をつけたりラフティングするのも、住血吸虫症の危険性があるためやめた方がいいとのことだった。

www.mofa.go.jp

なのですが、テントサイトのすぐ隣には雄大ナイル川が横たわっているのであった。まあまあ汗かいてるししんどいし、顔はつけないから……ちょっとだけ……と、行水敢行。

崖を降りていくと冷たい水にありつけます

これはかなりよかったです。整った!あまりおすすめはできませんが……。濡れたブラトップと短パンは、テントの上に干しといたらすぐに乾いた。ウガンダの日差し、すごい。

 

諦めんステージ

起きちゃったのでテントサイトを出て、会場内をうろつくことに。

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ここはDARK STAR STAGEやHAKUNA KULALA STAGEより手前のお客さん用テントサイト。こんな大きいフェス会場で、大きい音でGqomが響いてるというのは本当にすごい環境だった。ユートピアなのかな?という……。

TYO GQOMクルーはこの時点ですでに、道行く人から「昨日よかったよ!」という褒めの嵐に遭っていた。首からかけているアーティストパスに出演ステージと出演時間が書かれていたので、ケイトくんとモロさんは「次この時間にやるから見てね!」と宣伝。

昨日火が出てたHAKUNA KULALA STAGE、どうなったんかな?と思って見に行ってみた。

なんと復活していた!まじで諦めん精神やん。とこれはびっくりしました。

会場内には出店も多く、とりあえず腹ごなし。焼きそば?っぽい麵料理とかチキンティッカとか。

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動画の中で「動けない!食べれてない、寝不足、暑い!やばい。無理はしたくない」と言っている。。本当にその通り過酷な環境で、この時ケイトくんがダウンしました。ウガンダ料理の「ロレックス」を一口食べて、もうむり。となったため、テントサイトへ戻ることに。

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ちなみにこれがロレックスです

 

アフリカ民族音楽

テントサイトへ戻って横になったものの、私はやっぱり眠れずにいました。暑いので。。スマホにモバイルバッテリーつないでうだうだしていたところ、テントの外でゲリラライブが始まった。

Nyege NyegeはDARK STAR STAGEとHAKUNA KULALA STAGEだけでなく、もっと大きなメインステージもあったし、こういった伝統民族音楽のステージもありました。(その他、スミノフなどの企業スポンサーがついてるステージも。)こんな近くでアフリカの民族音楽を見られるのはとても嬉しかった!パーカッションはすごいし、叫ぶし、踊るし……!2個目の動画の方はなんだか和太鼓と獅子舞みたい。このあと和太鼓を頭の上に乗せながら叩き始めて度肝を抜かれた。この太鼓の音で、それまで寝ていたケイトくんもさすがに起きてきた。笑

 

KΣITO氏、微笑む

起きてきたのが17時半、出番の30分前。ゆるゆると準備を始めるケイト氏。出番前でナーバスかもしれないし、声かけないでおこう……とテント前で待っていたけど、なかなか出てこない。遅ない……?と覗いてみたら、BATTERY(ケイトくんがライブで使っている音楽制作ソフト)をいじっている。え、今かい!!という声をぐっとこらえ、待つ。。

結局テントサイトを出たのは出番10分前だった。先にステージに着いていたモロさんによると、前の人が巻いて終わったらしい!やや早歩きでDARK STAR STAGEに向かったところ、こうなっていた。

HAKUNA KULALA STAGEが復活していたのはDARK STAR STAGEのサウンドシステムを持って行っていたからだった。スピーカー1個しかないしオーディエンスもいない、デジャヴかな?という環境の中でとりあえずセッティングをしてみる。「18時にやるって言ってたけどやらないの?」と来てくれた人もちょこちょこいた。

とりあえずセッティングする?といってセッティング中

セッティングしてみたものの、結局タイムテーブルを変更して深夜1時にプレイすることになった。私は直接聞いていないけど、ステージマネージャー曰く「もっと良いプレイができるように良い流れと良いオーディエンスを用意するから!」とのことだったそう。かっこいい。HAKUNA KULALA STAGEはBOILER ROOMの収録も入るし、DARK STAR STAGEとHAKUNA KULALA STAGEとの力関係がいろいろあったのかな。。

ぽつんと残ったスピーカーの前で微笑むケイトくんは、心なしかほっとしているように見えた。。笑

ニッ

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