自分のコピーを作れたとしたらどうするか

自分のコピーを作れたとしたらどうする？肉体も意識もまるきり同じ。

とりあえず味覚を並列化させる。自分とコピーと2人でごはん食べに行ったときに2種類のメニューで迷ったとしても、私はA定食、あなたはB定食ってすればどちらの味も楽しめてハッピー。しかも太らない。カロリーは半分、幸せは2倍っていうやつ。松屋に行くと大体牛めしとカレギュウどっちにするかでまあまあ悩んで結局牛めしに落ち着くってのを毎回繰り返すんだけど、これなら1回でどちらも食べられる！しかも太らない。

あと、コピーの方は基本エネルギーを必要としない体の方がいいかも。そうじゃないと食費が2倍かかってしまう。松屋行く時だけコピーも連れていく？でも意識もまるきりコピーだから私とは別の“個”だし、こちらの都合よくコピーを扱うのは嫌がるよね多分……うーん、マスターとコピーというふうに区別するとどうしても主従関係が生まれてしまうから諍いが起きそうだ。

そうなるとコピー（という呼び方もできない……「私」か？）は私と同じ体の構造をしていないといけない。食費2倍かかっちゃうな。仕方ないか……

私と「私」、仲良くできるかっていったら仲良くできそうな気がする。思考パターン一緒だし。会話は多分続きそう。あ、でも嫌かもしれない。「私」と対面するってことは自己を客観視するということで、私のまばたきの仕方や口の動かし方とかどこで饒舌になるかとか、普段見てないものをまざまざと見せつけられるわけだ。自己嫌悪がループしそう。LANケーブル差し間違えるみたいなもんだ。

「私」よ、あなたとは一緒にいられない。お互いに自己嫌悪を増幅させるだけだよ。ここではないどこかへ行ってまったく別の交友関係を作ってそっちはそっちで幸せになってくれ……と言わざるを得ない。でも「私」から返ってくる返答は「お前が行け」だな多分。今暮らしている場所からなんで「私」の方が離れなきゃいけないんだ、とこうなる。

そうすると世界もコピーしないと。私はこの世界で、「私」はこの「世界」で生きればどちらも幸せになれるだろう。パラレルワールドってこんな感じの発端でできているのかもね。