うららかな日差しとセーター


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金曜の夜に初恋のひとと会った。高1から高2にかけてずっと好きだった1つ年上のひと、片想いを続けて何度断わられても告白を繰り返して遂には根気に負けたと承諾してくれたけど3日後にはやっぱり振られた相手、小学校時代や中学校時代での好きな人なんておままごとみたいなもので(恋愛とはおしなべてそのようなものではという議論はちょっと置いておこう)私は彼が自分にとっての初恋のひとだと思っている。

ロの字型になった校舎のこちら側から中庭を隔ててあちら側の教室を見つめる、それが当時の彼への距離だった。今では2人きりでお酒を飲んで永遠ににこやかに会話して別れる時は「またね」って手と手を合わせられる、あんなに不毛な距離の先にいたのに、15歳と28歳ではお付き合いの仕方って全然違うのだなあと少し寂しくなった。や、とても楽しかったのだけど。氷点下の部室で彼を待ち続けた2月、自転車2人乗りしながらうららかな日差しと彼のセーターを頬に感じた4月、祭りの日に暗闇のコンサートホールで会った5月、今でも覚えている。