記憶の消失点へ
そろそろビーチサンダルが欲しいけどためらっているのは酔っ払うとすぐに走り出す癖のせいだ。こける未来しか見えない。
5月の気候は外で飲むのに最適で、ここ最近は隙さえあれば路上公園道ばたで缶ビールを飲んでいます。一緒に路上で飲んでくれる人は大体大好きで、そんな人たちとのお酒は大体楽しいので大体酔っ払う。公園のベンチやスケボーの上に寝場所を見つけて一定時間休眠してしまう。この前気付いたけどスケボー意外と眠れるのですよ。(どうでもいいですね)
みっともなさは楽しかった日の証左なのだけど、記憶は確実と言っていいほど砂のように手からこぼれている。さらさらした感触だけが手のひらに残っていて、2日くらい経ってから不意に砂粒のディティールを思い出すのだ。何を話したのか?何の話題であんなにも笑ったのか?クリアな記憶は残っていない。残っているのは外灯の心細さや必要以上の開放感、21世紀だというのに壊れたプルタブ。
酒量と記憶力の相関を無しにして、いくら飲んでも明晰でいられたらどうだろう、あなたとあなたとあなたとの記憶を全て忘れずにいられたらどうだろう。
と思ったけどよくよく考えると、少しくらいは消える記憶があっても良いのかもしれない。どうなんですかね。
パーティーを主催するって楽しいという気づき
5/13にVIOLETNUDEWOMENつつがなく終えました。
出てくれたPALECORE、RHYTHM BILLGATES、YYBY、ファラ神先生ありがとうございました。遊びに来てくれた方々が皆楽しんでくれてたならいいなと思う。心の底から好きな人たちだけをお誘いしたので、私は終始テンションが閾値を超え続け酩酊に継ぐ酩酊でありました。当日の運営をさばいてくれた星くん、本当にありがとう……。ラウンジDJの皆もPAさんも箱の皆さんもありがとうございました。後でSNSを見返すとわりと反響があったようでよかったです。
別にバンドマンでもトラックメイカーでもない、ただライブ好きというだけの自分がパーティーを主催するというのは最初思いもつかなかったけど、やってみるとびっくりするほど楽しいということに気がついた。自分の好きな人たちに出演オファーを出して受けてもらうってもうそこから、ラブレターにOKをもらえるような喜びがあった。鼻血出るかと思いました。諸々の調整や、タイムテーブル作ったりフライヤー作ったりもわくわくする作業だったし。何より、当日アクトAを見に来た人がアクトBを初めて目撃して「かっこいい!」と上がっている様子をそこかしこで見ることができたのが嬉しかった。
主催にあたっては(今からすごーく偉そうなことを言います!)、自分だからできるブッキングって何だろうというのは考えていた。エリアや箱によってなんとなく界隈ってあるけど、同じ界隈の人たちをそのパッケージのままブッキングするだけなら私がやる意味はなくて、誰か既に開催してくれてるパーティーへただ遊びに行けばそれで充分楽しいよねって。微妙に界隈が違うけれどどこかに通じるものがあって、見た人が「全出演者ヤバい」って思う、新たな発見が生まれるようなメンツがいいなと思っていた。
それにプラスして、出演者にとっても何かしら得るものがあればなお良いなと。演奏して帰るだけって勿体ないし、演者同士で仲良くなってもらったり、次につながれば皆がハッピーになるなって。自分のエゴで好きな人集めるだけ集めて、その日限りになってしまうのは避けたかった。
(これオーガナイザーとしては当たり前のことだったらはずかしいけど……)
不安はあったけど、実際蓋開けてみると自分ひとりだけテンション上がってたわけじゃなくてほっとした。「前から神楽音に来てみたかった」と外国人の男の子が3人ふらっと遊びに来て、最後の最後までいてくれて「ナイスパーティー」って帰っていったのが印象的。
あと、出演者のうち東京組が全員「また絶対呼んで!」と言ってくれたのは本当に嬉しかったです。皆にとっていい場所にできたってことかな?それだったらほんと嬉しい。
自分にとっても良い出会いが色々あって、今日はテクノウルフを見にカトーマサカー@Forestlimitへ行く。あとファラ神先生経由で知り合ったミイケさん主催のSampling Sea@knockにも6/9行ってみようと思っています。
そういえばオーガナイザーという身になってみてもうひとつ面白かったのは、周りの友人でパーティー主催してる子達のオーガナイザーとしての側面をきちんと見られたことだ。色々アドバイスをくれたり主催する上でのスタンスを話してくれたり、そうした一面はどんなに仲が良くても見られなかったのでとても興味深かった。
多分続けていくのが大変なのだよね。次回のVIOLETNUDEWOMENは夏の終わり、9月に予定しています。また楽しい空間を作りたい。
昨日はVIOLETNUDEWOMENありがとうございました!
— moemiki (@harpy_1203) 2018年5月13日
興味持ってふらっと来てくれる人がいたり、ナイスパーティーって言ってくれたり、出演者同士でお互い仲良くなったりで嬉しかったです。ほんとありがとうございました。
写真は酩酊の中唯一撮ってた、最後の乾杯でホットコーヒーを飲む小林うてな氏☕ pic.twitter.com/sbxKxVMImE
PALECORE新セットで最高でした!優勝!好き!@PALECORE #VIOLETNUDEWOMEN pic.twitter.com/dM21IfcDoP
— moemiki (@harpy_1203) 2018年5月14日
RHYTHM BILLGATESはまじリズムの天才だった!優勝!好き!#rhythmbillgates#VIOLETNUDEWOMEN pic.twitter.com/IGzrsgpw5J
— moemiki (@harpy_1203) 2018年5月14日
YYBY京都から来てくれてありがとうございました、ダブのシャワー最高や!優勝!好き!#yyby#VIOLETNUDEWOMEN pic.twitter.com/cLDGJEulR9
— moemiki (@harpy_1203) 2018年5月14日
ファラ神先生ほんまパーティ大賞やで、めちゃ上がりました!好きすぎます!優勝!好き!@DDpharakami #VIOLETNUDEWOMEN pic.twitter.com/AeZ6MAit9F
— moemiki (@harpy_1203) 2018年5月14日
2018.5.13 大好きな人たちのライブが見たいのでイベント打ちます@神楽音
大好きな人たちのライブが見たくて、自分で企画することになりました。5月13日(日)、神楽坂の神楽音で。18時オープン19時スタートです。
メインアクトはYYBY、RHYTHM BILLGATES、ファラ神さんことKeita Kawakami、PALECOREの4組。このメンツが一堂に会したらどうなるのか今から楽しみ。まず聴いてみてください。
YYBY
京都のエクスペリメンタル/オルタナティブイベント [LOW POWER] を主宰するミニマルダブバンド。鞭みたいなドラムが癖になるし、反復する音がシャワーみたいに降り注いで、フロアに満ちていく感じが本当に気持ちいいです。
RHYTHM BILLGATES
DALLJUB STEP CLUB/あら恋のGOTOさんと、スカート/テクノウルフ/ex.NATURE DANGER GANGのシマダボーイさんって時点でヤバさ確定のパーカッションユニット。肉体的!プリミティブ!テクい!圧倒的!という感じでIQがどんどん剥ぎ落とされていきます。最後に残るのは「めちゃくちゃかっこいい」という言葉だけ。
Keita Kawakami
Juke/Footworkレーベル [KOOL SWITCH WORKS] の主宰にして [apostrophy] 主要メンバーのファラ神さん。私、DJの巧拙とか正直言うとわかってないので上手いこと言えなんだけど、ファラ神さんのDJは毎回楽しいしニクいし本当大好きなんです……!
PALECORE
昨年末にWWW Xで開催されたショーケース・イベント [AT THE CORNER] で突如現れ話題を掻っ攫った覆面美女ユニット。*1中華っぽいトラックと、X-FILEとかt.A.T.u.とかをサンプリングするセンス、それに加えて覆面レオタードのビジュアル。中毒性高いんです。AT THE CORNERで見て即食らって、以来ほぼ皆勤賞でライブ観てます。
PALECOREの中毒性やばくて終わったあとSNS上の動画見漁ったのでまた絶対にやってください#ATTHECORNER pic.twitter.com/2UBNlGgRgn
— moemiki (@harpy_1203) 2017年11月4日
今回企画することになった発端は京都のミニマルダブバンド、YYBY。私が京都に住んでいた頃から大好きで、彼らが主宰するメトロのレギュラーパーティ[LOW POWER]には毎回足を運んでいた。小林うてなちゃんやYullippeに出会ったのもこのパーティでした。
2月にあったLOW POWERも東京から京都へ見に行ってたんだけど、YYBYのライブを観ながら強く思ったのが「なんで年に1回しかライブしてくれないの、なんで東京に来てくれないの!」ということ。
今日何のために京都来たかっていうとYYBY観るためと言っても過言ではない。お願いだから東京でライブやってください pic.twitter.com/vI1buajs14
— moemiki (@harpy_1203) 2018年2月12日
誰か呼んでくれる人いないかなと思って、ライブ直後にWOZNIAK星くん(id:hoshinominimal)にLINEした(彼はイベンターもやっている)。呼べへんかな、どう動いたらいいかな、と。この時は他力本願だったんだけど、返信は「イベントやりましょうか、そのうち提案してみたいと思ってたんだよ」。あ、そうか私が呼ぶというやつか!それもアリなのか!って、盲点すぎてびっくりした。でも即決でした。そんな流れで企画をすることになりました。
その後は、どんな組み合わせが良いかな、どんなパーティにしたいかなって星くんと相談して、出演してもらいたい人たちにラブレターみたいなオファーメールを送って。YYBY以外の3組も上述のとおり恋してやまない人たちなので、出てもらえることが嬉しい。浮き足立ってしまって大変だ。自分で企画すると最愛の人たちに出演してもらえるんだね、すっごいね。
普段あまりない組み合わせかもしれないけれど多分共通点あるし、めちゃくちゃヤバい組み合わせだと思っています。京都の兄・OUTATBEROビンゴさん曰く「飲酒が進む超フォワードタイプラインナップ」とのことです。是非ふらっと遊びに来てください。コメントか神楽音HPから予約OKです。
*1:余談ですけどAT THE CORNERは「全国の今は無名だけどかっこいいプレイヤーを発掘&紹介する」っていうコンセプトとか、そこから自然と生まれたフロアのあったかい雰囲気とかすごく最高だった
クラブのきっかけ
サンクラでフルトノさんのDJミックスを聴いていたら「そういえば私がクラブに通うようになったのってフルトノさんがきっかけだった」と思い出した。
(これ意味がわからなくてすごかったです、どうなっているんですか……)
2015年10月、まだ大阪に住んでいたときのこと。SonarやElectraglide、タイコみたいなフェスには行っていたけどあくまでフェスだったし、メトロもライブハウスという感覚だったので、いわゆる「クラブ」は未知の場所だった。そんな中Massive AttackのDaddy Gが来日することを知り、ひとりだし不安……と思いつつも大阪サーカスに足を踏み入れたのが私にとって初めてのクラブ体験。Daddy Gは冷え冷えとしたブリストルサウンドなのかと思いきやかなりレゲエ色強めで、でもそれはそれですごく楽しかったのを覚えてる。
で、Daddy Gが終わった2時半頃にプレイしたのがBrainfeederのTシャツを着たお兄さん。意味わからんビートがそれまで聴いたこともない音楽でほんと衝撃だった。でもタイムテーブルがどこに貼ってあるかわからなかったから誰なのかもわからず、とりあえずInstagramに動画をアップして「BrainfeederのTシャツの人すごかった!」と思いながら家路についたのだった。
↑びっくりするほど音が悪いです
そしたら翌日Twitterでリプライをくださったのでした、フルトノさん。おまけに「このアルバムの曲です」と音源も教えてくれて。DJ Rocの"Practice What U Preach"というアルバム。
それまでジュークというジャンルを全く知らなかったから、これをきっかけにジュークに触れるようになったし、「クラブって怖くないんだ」と思えたから以降サーカスにも通うようになった。ちなみに、この頃から仲の良かった星くん(id:hoshinominimal)のバンドのアルバムにフルトノさんがリミックスで参加していたのを知るのはこの数日後です。びっくりした。
あの夜勇気出してひとりでサーカスへ行ったこと、フルトノさんのDJを見られたこと、フルトノさんがTwitterでリプライをくださったこと、全てのおかげで今につながっているんじゃないかってまじめに思う。そうでなかったら知り合えてすらいなかった人、本当にたくさんいる。勝手に感謝しています。
そして、フルトノさんのDJを初めて見た時は「意味わからん!好き!」って思ったけど、今も「意味わからん!好き!」って思ってます。あと、みんなのクラブのきっかけ聞いてみたい。
会話に意味を持たせるな
最近仲良くなった女の子が熱心に読書していてすごいなと思う。すごいね、と言うと「無理やり時間を作ってなんとか読んでるんです」と。そんなひたむきさもすごいと思う。
たまに読書しようとすると、既に読んだことのあるお気に入りの本ばかり繰り返し読むから新しい作品をまったく読めない。雪風が飛び立つシーンにもう一度震えたくて、とか金網越しに舌を舐める錆混じりのキスシーンを、とかそんな調子だ。今読み返しているのは村上龍映画小説集。
「地獄に堕ちた勇者ども」で市川明美と「私」が寝台列車に乗り合わせるシーンが好き、この話は20ページにも満たない短編なのだけどとてもお気に入りで何回も繰り返し読んでいる。
私達はかなり遅くまで、今考えると本当にバカバカしい話題で喋べった。明け方と夕暮れはどっちがきれいだと思うか、紅茶にミルクを入れる人とレモンを入れる人ではどちらがロマンチストだろうか、ポール・サイモンとボブ・ディランとドノヴァンの中で一番歌が下手なのは誰だろうか、パリとロンドンとニューヨークと一ヵ所だけ行けるとしたらどこに行くか、ディズニーランドの四つの国の中で一番好きなのはどこか、ほとんど私が話して、彼女は興味深そうに聞いていた。
意味はなくてディティールだけがある、硬質だけどそんなロマンチックな会話に惹かれる。会話に意味なんてあってたまるかとさえ思わせる。
明日になれば溶けてしまいそうな事柄と、忘れられない景色があればそれでいい。夜の海の黒い色、ふすまに映ったプロジェクターの光、クラブのトイレのタイル、そうしたものたち。
酒場で読む本の速度
速度の合う合わないってある。今京都に来ていてひとり酒場でごはんを食べていたのだけど、お酒飲みながら読書するのがなんか好きで読むのはもっぱら川上未映子さんの随筆です。読点、読点、読点、、、、で展開される日常への思い至りがアルコールでもつれる思考にちょうどはまって気持ちがいい。こんな状態の足りない頭で読まれるのは著者にとって本意かどうかわからないけれどともかく合うのだ。今日は「発光地帯」を読んだ。
読む時とは別に書く時にも速度の合う合わないがあって、今は携帯のフリック入力でこれを書いているけれど本当はキーボードで打ちたい。フリックだと思考のスピードに合っていなくて書いているうちから書こうとしていたことを忘れてしまってよくない。スマホ用Bluetoothキーボードの導入を検討している。仕事で使うiPadでは既に導入しているのだけどあれ本当によいですね、入力の如何で出力は変わってくるのだと思う。
発光地帯で何度でも読み返したくなるのは「世界なんかわたしとあなたでやめればいい」というフレーズ。ところでIQOSの匂いってすごく鼻につく、あれだったら普通のたばこの方がよくないかと思うんだけどどうですか。
湯たんぽは猫
湯たんぽは猫。
先月あたりから、周りから湯たんぽいいよと色々話を聞いていた。気になったのでリサーチすると昔ながらのお湯入れる式からレンチン式とか充電式まであるらしくて、Amazonで検索したら本当に沢山の湯たんぽが出てきたので一旦考えるのをやめた。人をあたためるための直方体にこんなにも種類があるのかと。Amazonはその情報量ゆえに時に思考を止める。
で、まりえちゃんと温泉旅行に行った時にそれとなく聞いてみたところ彼女も使っているとのことで、どんなタイプの湯たんぽなのか、からどうやってお湯を沸かしているのか、まで教えてもらった。お湯の沸かし方聞くとか生活力のなさがありありと出ているな。
そんなこんなでHugo Froschというタートルネックな湯たんぽを購入した。帰宅した時点でやかんでお湯沸かしてお湯入れてベッドに忍ばせて、お風呂上がった後にお布団入るととてもぬくいという幸せな夜を過ごしている。
やわらか湯たんぽ ドイツ製高品質 Hugo Frosch(フーゴフロッシュ) ニット (日本正規輸入品 日本語取扱説明書付き)
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ここからが本題なのだが、ベッドインしたときの湯たんぽの置き場が非常に悩ましい。足元なのか。太ももの上なのか。お腹の上なのか。
聞くところによると大きい筋肉をあたためた方が効率的に体全体をあたためられるらしく、太ももとかお尻がおすすめらしいのだけど、ずっと置きっぱなしだと落ち着かない。そもそもお尻とか、安定感は大丈夫なのか。お尻の重みで破裂したりしないのか。不安で仕方がない。
なので今のところの解として、太ももの上にしばらく置いたあと胸の中に抱きすくめるという方法をとっている。こうするとわかるけど、湯たんぽって結構重い。この重さとぬくさがすごく猫然としている。と言っても一番身近な猫、実家で飼っているマメは人の胸に抱かれるようなヒトフレンドリーキャットではないので想像なのだが。
想像上の理想形猫、それが湯たんぽである。なお寝起き時はどこかに行っています。(寝相の悪さによるもの)